STORY住まいのコラム

2023年10月8日

パッシブデザインの住宅にするべき?東広島ならではの情報をご紹介

いま住宅を建てるのなら知っておきたいパッシブデザインとは

 

パッシブデザインの「パッシブ」とは受動的という意味です。受動的と聞くと何とも消極的なイメージを受けてしまいますが、パッシブデザインとは、自然の力を最大限に活用してエネルギー効率を高める建築設計のアプローチのことを指します。
具体的には、太陽の光や風、気温の変化を利用して、家の中を快適に保ち、エネルギーコストを抑えます。
これにより、暑い夏や寒い冬でも快適な室内環境を維持できます。

東広島でパッシブデザインの住宅を建てるメリットをご紹介

東広島市は地図上では瀬戸内に面しているので温暖な地域だと誤解されがちですが、夏暑いし冬は寒い・・・。

その寒さは山陰地方の松江市や鳥取市よりもよっぽど寒いのです!
例えば、1月(1990年から2020年)の平均気温は松江市で約4.6℃でした。
これに対して東広島市の1月の平均気温は「2.4℃」!とても寒いですよね・・・
このように、厳しい気候の東広島で家の中を快適に保つためにパッシブデザインはぜひとも活用したい設計手法です。

そのままの家で省エネ・節約が叶う

例えば、二軒並んだ同じ性能の家があったとします。
片方の家(A)は、南に大きな窓があり、そのほかの方位(東、西、北)の窓は最低限の大きさです。
片方の家(B)は、西に大きな窓があり、その他の窓は最低限といった家があったとします。

Bの家の西側の窓が1m×2mの窓だとすると夏の夕方、この窓には強烈な西日が差し込むことになります。
その時にその窓から入ってくる熱の量は、1000Wの電気ストーブに匹敵します。                                                                真夏に1000wの電気ストーブで部屋を暖めてたらそれは家の中が暑くもなります。
そんな、暑くなった室内をエアコンを使って冷やさないといけないとなりますが、電気代の高騰する昨今、とても困ります。

かたや南に大きな窓があるAの家、南の窓は意外に真夏は日が入りにくい。
全く入らないわけではないのですが、日中お日様は高いところ(真上)を通っていくので南の窓は西に比べてお日様の影響を受けにくいです。

反対に、冬場は太陽が低いところを通っていくのでしっかり窓からお日様の熱を取り入れることができます。
その熱量は、前にも述べましたが1000wの電気ストーブに匹敵 冬場の室温の上昇に貢献し、電気代も安くなります。
このように、設計の段階で方位を気にするだけで室内環境は大きく変わります
建設コストが同じならば、どちらの家を選ぶかは迷うことないですよね。

今までは、設計も設計者の経験値や勘に頼るところが多くあったのですが、今では各種のシミュレーターを使い、日の当たり方や室温などを設計段階である程度把握することができるようになってきました。
日当たりは、エアコンの使用頻度や照明の使用時間に大きく影響があるため重要なポイントになります。
それらのデータをもとに、どこにどのような窓や断熱材を使えば光熱費が下がるかなどを検証することができ、費用対効果を数値で判断することができます

そのほかにも、耐久性の高い外壁材を選択することで、メンテナンス費用が抑えられたり、断熱性能・気密性能を高めることで高熱費を抑えることができます

これらは、住み続けるうえでの大きなメリットではありますが、将来家を手放すことになった時も、資産価値のある建物として需要が高まることも期待できます。

体への負担が少なく快適に生活できる

町の市街化の進んでいる東広島ですが、まだ緑の多い地域も多く見受けられます
そのような地域ですから、窓を開けて自然の風を取り込みながらも生活したくなります
そのような自然の風を生活に取り込むような設計もパッシブデザイン。
 その土地の特性を生かし、真冬にはお日様の熱を室内に取り込み室温を上げることができます。
 夏には、日差しを遮ることで室温の上昇を抑え、外気と湿度のバランスをお案が得ながら、家の中に自然の風が通り抜けるような生活を実現させることで光熱費の削減にもなりますが、体にも良いように思います 。

東広島でパッシブデザインの住宅を建てるデメリットをご紹介

 

パッシブデザインそのものにデメリットがあるわけではないのですが、パッシブデザインを採用した家を「活かす」ためのポイントがいくつかあります。

初期費用が高くなる

いくら、自然の力を取り込む設計をしても家自体のポテンシャルが低くてはパッシブデザインの家を十分に生かすことはできません。
そのために、断熱性能と気密性能を上げる必要があり、初期費用がおのずと上がってしまいます。

お願いできる工務店・細かな設計が限られる

自然のエネルギーを活用するパッシブデザイン。
パッシブデザインはとても優れた設計手法ではありますが、その土地のポテンシャルを十分に活かす設計は簡単ではありません。
「冬にお日様の熱を室内に取り入れる」ためには前にも述べましたが、南面に大きな窓をつけることで理論上実現可能です。
しかし、南に大きな窓をつけても、「南側に建物が迫っていたら?」「山があったら?」など、実際には多くの弊害があります。
図面の中だけだと日あたりはよさそうに思えても、いざ住み始めると意外に日が当たらない。そうなってしまっては、パッシブデザインを取り入れた家とは到底呼べません。

机上の空論だけ、実現できるほどパッシブデザインは簡単ではありません。

パッシブデザインの住宅を建てる前に知っておきたいこと

パッシブデザインは、建物の間取りや形状だけで完結するものではありません。パッシブデザインとは、建物の周りにある自然のエネルギーを最大限活用するための設計手法であり、自然のエネルギーを活用するためには以下のような要素が重要になります。

断熱性能

断熱性能は建物に採用する断熱材の質と量で決まります。
これだけを見ると、自然エネルギーとは関係ないように思えますが、この断熱性能は、太陽からのエネルギーを活かす重要なポイントです。
冬には、窓から入ってきたお日様の熱をいかに守るか、夏にはお日様からの熱を家の中にいかに入れないかを決めるのがこの断熱性能になります。
断熱性能は、UA値やQ値 気密性能はC値で表され数値化されています。
このように数値化することで目安になります。

日射遮蔽

この日射遮蔽は「夏涼しく」の基本になるものです。
夏の家の中が暑くなってしまう最大の原因は窓からたくさん日射熱が入ってしまうからです。
この原因を取り除かない限り、夏涼しくということはエアコンをフル回転させてエネルギーを使いまくらない限り実現できません。
例えば、デザインのことは置いておいて、夏に日差しがよくあたる窓に「すだれ」をかけるだけで、家の中に入ってくる熱を83%もカットしてくれます。
今は、シェードなど洋風な家にも合うデザインのものもあります。

このような日よけの部材を意匠性と予算とのバランスを見ながら活用していくことで、快適な室内環境をより小さなエネルギーで実現することができます。
このような、日射遮蔽の性能もηAC,ηAHといった数値で表すことができます。

自然風

東広島も随分市街化してきましたが、まだまだ緑豊かな土地柄自然の風が気持ちの良い季節があります。
東広島という土地は季節によって、時間帯によってどこから風が吹くかというデータがあります。
そのようなデータとまわりの建物などの影響を考えながらどのように家の中に自然の風を取り込むか?取り込むために窓の形はどうしたらよいか?と自然の風を効率よく取り込むことを考えてもいろいろな要素があります。
ただし、窓を開けてもよい条件というものもあります。
それは、温度と湿度が室温よりも外気の方が低いとき。
それ以外の条件で窓を開けるとジメジメした熱風が入ってきて室内環境を悪くします。このような条件をクリアする外気条件の時間帯が東広島にはあります。

これは、室内の温湿度と室外の温湿度が見られる温湿度計。
このようなものを活用して、自然な風を室内に取り入れることもおすすめです。

昼光利用

太陽光をそのまま光として利用して、室内を明るくすることがこの昼光利用です。
快適な明るさは部屋によって異なります。
LDKは明るい時間帯が長くなることが求められますが、寝室などはそこまでではないのではないのでしょうか?
このようにお日様の動きも加味しながら家の設計をすることも重要になります。

日射熱利用暖房

パッシブデザインの重要な要素をフル活用することで実現することができる日射熱利用暖房 計画がうまくいくと室温の安定に大きく貢献することができます。
例えば、室内の一部にコンクリートやタイルの土間のスペースを作ります。
冬場、個々のスペースに十分な日差しが降りそそげば、コンクリートやタイルが蓄熱してくれて、気温が下がってきたときに、そこが温まっているため室温の低下を緩くしてくれます。
ただし、夏にこのスペースに日差しが降りそそげば・・・最悪です。
そのためにも、日射遮蔽の計画もしかり行い、断熱性能も気密性能も十分に上げてそうすることにより、お日様からのエネルギーをしっかり活かすことが可能におなります。

東広島でパッシブデザインの住宅を建てるときの注意点をご紹介

ぜひとも家づくりにおいて取り入れたいパッシブデザイン。
しかし、見落としてはいけない注意点があります。

耐震性などの安全面を無視しない

広島は、幸い地震の少ない地域ではありますが、地震に対する備えをおろそかにすることは絶対にしてはいけないことだと思います
快適になるはずだからと南の面に大きな窓を計画することは良いのですが、窓は地震に対抗する力はありません。まさに弱点となります。
その大きな窓は本当に安全なのでしょうか?
安心・安全と快適は確実に安心安全の方が重要だと私は思います。
大きな南面の窓を計画するのであれば、構造計算などの根拠をもとに計画するべきだと思います。

窓から見える風景にもこだわる

南の窓を大きく取り、北や西、東の窓を最小限に抑えることがパッシブデザインの基本ではあります。
しかし、これから家を建てるために購入した土地の西がとても良い景色であっても窓を小さくするべきでしょうか?
快適な生活という中には窓から見える風景も含まれると思います。
それを取り入れないというのはもったいない パッシブデザイン以前に設計計画として重要なポイントが欠落していると思います。
西側に良い風景が広がっているのであれば、断熱性能を強化し、日射遮蔽で対応したり、窓の性能を上げることで家全体のバランスをとることができます。
東広島には、癒される風景が広がっているので取り入れない手はありません。

東広島のパッシブデザイン住宅はホームクリエたくみへ

東広島は、冬寒く夏は暑く、風は穏やかな地域です。
その特性を生かしたパッシブデザインは家づくりには、ぜひとも取り入れたい設計手法です。

まとめ

家づくりにおいて、パッシブデザインを取り入れることで自然のエネルギーを最大限活用する。
とても魅力がありますが、机上の計画を実現することはとても難しいことです。 何千万円もする家で「思ってたより寒い」「住んでみるとそこまで日が当たらない」ということは何としても避けたいことです。
そのために、株式会社ホームクリエたくみでは 全棟で

「日照シュミレーション」

「室温シュミレーション」

「気密測定」

を行い、計画を現実にするよう努めています。
東広島で家を計画するのであれば、30年この地で家づくりに携わってきたホームクリエたくみにご相談ください。

 


森本一喜
森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。
大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所立ち上げる。
現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

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