STORY住まいのコラム

2023年12月16日

【全部わかる】東広島で自然素材の家を!注文住宅で自然素材を選ぶ基礎知識

注文住宅で注目を集める『自然素材の家』とは

自然素材を使った家といって真っ先に思いつく建物といえば、東広島市の場合、赤い瓦がのっていて、壁が土壁でできたいわゆる「伝統的な古民家」ではないでしょうか。
この古民家にも使われていた素材を、現在の技術や設計手法でうまく使い、風合いや温もりを活かして作られた家のことになるかと思います。

今回は、伝統的な古民家でも使用されていた自然素材を選ぶ基礎知識についてご紹介いたします。

シックハウス症候群の観点からも人気である

まず、シックハウス症候群とは、建築資材や塗料などから発生する揮発性有機化合物やダニやほこりなどのハウスダストなどが原因となる、様々な健康上の問題や不快症状の総称です。

シックハウス症候群の原因となる化学物質などは、建築資材にも含まれている場合があるのですが、触ったとたんかゆみが出るなどといったものではなく、徐々に体の中に蓄積されて、許容量を超えてしまうとアレルギー反応が出てしまいます。

この許容量には個人差があるのですが、敏感な方はそのアレルギーの原因となる素材を使った建物に入るとわかるそうです。

そのようなこともあり、化学物質が建築資材に使われているかなどは、メーカーに表示の義務が課せられて、基準はずいぶん厳しいものとなりました。しかし、含まれる量がゼロになったわけではありません。

この問題が出始めたことにより義務化されたものが、いわゆる「24時間換気」
家の中の空気を2時間に1回入れ替えられる能力を有する換気計画を立てなさいという内容のものになります。

24時間換気は、シックハウス症候群の話が出始めてから、義務化までが早かった記憶があります。

個人的な意見になってしまうのですが、その当時はそれほどまで、建物に使う材料に無頓着であったように思います。外壁が「湿式」と言って、左官が時間をかけて仕上げていたものから、「乾式」のサイディングが大半を占めるようになり、内装も漆喰や木材で仕上げていたものが、ビニールクロスやプリント合板などで仕上げられるようになり、質よりもスピードが求められる建物が多く建てられていたと今になって思います。

その代償として表れてしまったのがシックハウス症候群といわれる不快症状です。

そのような健康面に対する配慮や、自然素材は環境への負荷も少ないため(極論、自然素材は埋めれば自然に還ります)環境にも配慮され、なおかつ快適な居住環境を整えることができるため、自ずと注目も高まります。

自然素材と従来の家は大きく異なる?

「従来の家」とは、本来、自然から得られる素材で作られた家のことを指すのでしょうが、ここでは比較をするために、工業製品を多く使っている一般的な家を従来の家とし、自然素材を多く使っている家を「自然素材の家」として比べてみようと思います。

快適さの違い

自然素材の家では主に木や土が使われます。
これらの素材は仕上がりの風合いの良さだけではなく、それぞれ特徴のある機能も併せ持っています。

床に使われる一般的なカラーフロアはこのようなものです。

表面は木のように見えますが、下地の合板に薄く木を張り付ける構造になっており、表面を保護するため固めの塗装を施してあることが一般的です。

一般的に、硬いものは早く熱を伝える特徴があり、固い表面処理をされたカラーフロアは、足の裏から早く熱を奪うため、冷たく感じてしまいます。

そのため、冬の寒い日は素足だ歩くと冷たく感じてしまします。

一方、自然素材である無垢のフローリング、特に柔らかい杉やパインなどは、細かい空気層を多く持っているため、熱の伝わり方が遅くなります(空気は条件次第で優れた断熱性能を発揮するため)

そのため、熱が奪われにくくなり、素足で歩いたりすると暖かく感じます。

その他にも、程よく湿気も吸収してくれるので、梅雨時期など湿度の高い時期、素足で歩いたときに感じる、ペタペタとした不快な感触も軽減されます。

壁を仕上げる素材も、ビニールクロスは表層を仕上げるものですが、自然素材の仕上げ材には、木、漆喰、珪藻土といったものがあり、調湿作用やリラックス効果、消臭効果など様々な効果があります。

 

 

 

 

管理の違い

自然素材は手入れが大変だと思われるかもしれませんが、そんなに構えるほど大変なことはありません。

確かに、杉の無垢の床板はやわらかいため傷はつきやすいことはたしかで、へこみやすい特徴があります。

ただ、いくらへこんでもあくまで無垢の杉なので大きな問題ではないと思います。

これが、カラーフロアが大きく傷がつくと下地の合板がむき出しになってしまいますが、無垢だとそういう心配はありません。

漆喰や珪藻土の壁も少しの汚れならば消しゴムなどで対処することもできます。

ただし、表面が削れてしまうと風合いが変わってしまうので気を付けなければいけないところではあります。

仕上げるパターンにもよりますが、軽度な補修はとても簡単にできますし、最終的には、上にもう一度漆喰なり珪藻土を重ねて塗ることも可能です。

さらに、自然素材の最大の魅力は経年により風合いの深みが増すところです。

その変化を楽しむことも自然素材の家に暮らす醍醐味といえます。

費用面の違い

選択する内容にもよりますが費用だけを見ると、従来の家に使われるビニールクロスやカラーフロア、サイディングで仕上げた方が費用は抑えられます。

家づくりにおいて、私の考えでは長く使うもの、交換が難しいものに予算を割くことをお勧めしています。

キッチンやお風呂、トイレ、洗面化粧台などは交換することが比較的容易です。

それに比べて、外壁や断熱材、床やサッシを交換となると大掛かりな工事となっていまします。

例えば、外壁の再塗装では、足場を組む必要などがありとても大掛かりなものとなります。また、その費用も150万円ぐらいはかかります。

さらに、5年から20年に1回は塗装が必要になるので、30代で家を建てたなら2回は塗装が必要になり合計300万円ほどかかる計算になります。

これを、外壁の仕上げ材を漆喰などでメンテナンスがあまり必要ないものを採用していれば将来外壁の修繕費を考えなくて済みます。

初期費用で、サイディングから漆喰などの自然素材でメンテナンスの少ないものにしたからと言っても、塗装1回分の費用程度の上乗せでできます。

維持費のことを思うと決して高いものではないはずです。

自然素材の家にはどんな素材が使われる?

ここまで自然素材の家について一部使用する素材などを用いて違いなどを説明してまいりましたが、自然素材の家にはどのような素材が使われているかあたらめて解説をしてまいります。

無垢木材

多くの空気層を持つものがあり、調湿作用が期待できます。
そして、木が持つ「香り」はリラックス効果があり、魅力の一つです。

漆喰

漆喰は、石灰岩を焼いて作られた消石灰が主原料になります。
これだけでは、壁に塗ることができない(サラサラすぎるため)ので、消石灰に、固めるたに海藻を煮たてて作るフノリと割れるのを防ぐために麻の繊維である麻すさを混ぜて作られたものをいいます。

消石灰を主原料にしているため、水が加わると強アルカリ性となり、抗菌機能もあります。

固まった壁を触っても害があるものではないのでご安心を。

ただ、固まる前の漆喰を壁に塗る左官さんは手が荒れます ありがとう左官さん

そして、漆喰は二酸化炭素を吸収しながら硬化していくので、強度は完成から徐々に増していきます。

珪藻土

珪藻土は、藻の一種である珪藻の化石です。

厳密にいうと、珪藻の殻が積もり積もってできたものになります。

その性質は、高い吸水性にあり、調湿機能が期待できます。

一部で、珪藻土の発がん性が問題になりましたが、これは珪藻土を焼結(圧力をかけて焼く)させたものが鋭くとがった形状に変化する針状結晶化現象を起こしたものが問題であり、家の仕上げ材に使われる珪藻土には問題はありません。

しかも、問題となる珪藻土も職業的に長年吸い続ける場合にリスクがあるといったものになります。(国際がん研究所による評価に基づく)

弊社では、この珪藻土を内装の標準仕様としているため思うのですが、消臭の効果も高いように思われます。

東広島の注文住宅で自然素材の家を選ぶメリットをご紹介

自然素材を使った家で生活しているといろいろなメリットがあります。
その例を挙げて解説していきます。

健康に配慮した安全な暮らしが叶う

自然素材の家に暮らすことで、健康面がプラスになることは多くあります。

先にも上げたシックハウス症候群を発症するリスクを下げることができます。

今では、建材に含まれる揮発性有機化合物やホルムアルデヒドといった化学物質は厳しく規制されているため、かなり安全になりましたが、自然素材を使うことでさらに安全性を高めるとができます。

家の機能性が高くなる

木や漆喰、珪藻土には調湿作用があり室内の湿度をある程度調整してくれるため室内環境が改善されることが期待できます。

そして、木や珪藻土など空気層を多く含む物質は、空気とともに温度も蓄えることができるため、温度の調節にもよい影響があるかと思います。

漆喰の抗菌作用といった機能もあります。

そして着目するところは、これらの機能は自然素材がもとから持っている機能でありそこにはエネルギーが使われていません。
そういった観点から、省エネにもつながり住まい手の負担なく環境負荷の軽減にもつながります。

耐火性に優れている

もともと、お城や蔵などにも使われていた漆喰は耐火性に優れた素材といえます。
長年、個人の財産や文化的価値の高い建物などを守ってきたのですからその実績は折り紙付きです。

 

季節を問わずに過ごしやすい

自然素材の持つ調湿や調音の作用により、室内の湿度や温度に良い影響はありますが、過信は禁物です。

家の断熱性能、気密、換気計画がきちんとなされていないとその恩恵は薄まります。

いくら,保温性能に優れた珪藻土の壁があっても外気の影響を受けるような断熱性能の家ではその恩恵を感じ取ることはできません。

断熱や気密、換気計画をしっかり対策されてこそ自然素材の機能も十分に活かされます。

東広島の注文住宅で自然素材の家を選ぶデメリットをご紹介

良いことばかりに見える自然素材ではありますが、理解をしてから使用しないといけないなどデメリットもあります。

 

費用が高くなる傾向がある

自然素材を使うと費用が上がってしまうことは事実です。
素材だけならばそこまでの費用の上昇にはならないのですが、施工に手間がかかるのと技術が必要になります。

そのため、工事費がどうしても上がってしまうことは致し方ないことかと思います。

経年変化やキズ・汚れに対するお手入れが必要である

無垢の床材は、季節により伸びたり縮んだりします。

そのため、継ぎ手に隙間ができてしまったり、床なりがしたり、割れが入ってしまうことがあります。

珪藻土や漆喰の壁や天井にも割れが入ってしまうことがあります。

家は、一見不動のもののように思われがちですが、木材の乾燥や湿度を吸う事で結構動いています。

そのため、土や石からできている珪藻土や漆喰には弾力性が少ないため、家の動きに追随できず、どうしても割れてしまうことがあるのです。

このようなひびや割れを風景ととらえて経年変化を楽しむのも自然素材の家に住む楽しみではあるのですが、このような事象が耐えられない方には見ていないかと思われます。

壁のひびや割れは、メンテナンスは可能ですし、床の傷やささくれなどは無垢の場合削って直すことも可能です。

注文住宅で自然素材の家を。後悔しないポイントとは

折角の自然素材の家ですが、こんなはずではなかったと思わないように理解をしておいてもらいたいポイントがあります。

自然素材ならではの経年変化を楽しむ

自然素材は、経年で変化を起こしていく素材です。

日焼けで色が濃くなったり、木の乾燥で縮んでしまったりといった変化が起こってしまいますが、それは生きていたものですから、思い育てるように生活して素材の成長を楽しみましょう。

場所ごとに活きる素材を選ぶ

杉のような柔らかい素材の床材は水分のあるものを放置しているとしみになってしまします。撥水性のある自然由来のワックスなどを使用するとこのようなリスクを抑えることができます。それでも長時間の放置は避けてください。

調湿や消臭が期待できる珪藻土や漆喰は、天井への施工がおすすめです。
壁ももちろん良いのですが、家具などで隠してしまうとその機能は軽減されていまいます。

天井は、面積も広く、隔てるものも少ないので珪藻土や漆喰の機能が十分に発揮されます。

丁寧にお手入れする

ものすごく丁寧に取り扱う必要はありませんが、珪藻土の壁を濡れたタオルでごしごしこすれば削れてしましますし、無垢の床も合わないワックスや洗剤を使うと傷んでしまうこともあります。

お手入れについては、施工した工務店などに相談してください。

床などは、お手入れをしていけば、年々深みを増して愛着も深まります。

東広島で自然素材の家を建てるのならホームクリエたくみへ

弊社では、自然素材をオプションとして取り扱ってはおらずすべて標準で施工しています。

それは、私自身が自然素材の家に10年以上暮らしてその良さを体感して暮らしているためです。

長く暮らす家ですから、私のところへ家づくりを頼んでもらえるならば、ぜひともこの快適な環境で暮らしてほしいと思い、素材を選定しています。

旅行先でホテルに泊まりたくなくなりますよ(笑)

杉の無垢板の床・壁 漆喰の壁・天井

 


森本一喜
森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。
大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所立ち上げる。
現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

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