STORY住まいのコラム

2019年12月19日

東広島の家づくり、冬暖かい家にすると

新築のご相談をお客様から受けたときによく感じることは、東広島がどれぐらい寒いかは知らない、ということです。
「東広島は寒い」と思われている方でも「どれぐらい寒い」かまでは、意識されることは少ないようです。

東広島は寒いんです

さて、東広島の冬の気温はどれぐらいでしょうか?
これは、気象庁のホームページから知ることができます。

これは2018年の東広島の気象データですが、最も寒い1~2月の平均気温は1.6℃

この気温を調べてみると、実は日本海側の松江や鳥取よりもずいぶん低いことがわかりました。
ちなみに松江の2018年1~2月の平均気温は約3.3℃ 鳥取は約3.4℃
東広島の冬 寒いですね。

1~2月の平均気温が近い主要都市を探してみると、福島が約1.6℃と似たような平均気温でした。

このように、東広島の冬は東北地方並みに寒い!のです。

広島県は、日本では南に位置する地方なので冬はそこまで意識されていないため、断熱材に対する意識もそこそこ。そのため、家を建てたりリフォームをするときの断熱材の関心は低いように思われます。

断熱を頑張ると

では、寒い東広島で家を作るとき、断熱に力を入れるとどのようなことが起きるのでしょうか?

まず、断熱性能の低い建物に比べて、少ないエネルギーで建物全体を温めることができます。
建物全体を温めるということで、家の中で温度差できにくくなります。そのため、温度差で生じるヒートショックが起きにくくなります。

断熱性能を高めると、外気からの影響を受けにくくなるため、建物の表面温度も上がります。
この表面温度が上がるということはとても重要です。建物の表面温度が上がると、「体感温度」が上がります。人が感じる体感温度とは、室温と、壁や天井、床や窓といった表面の温度の平均といわれています。

例えば、

    • 室温25℃、表面温度12度⇒体感温度 18.5℃
    • 室温22℃、表面温度18度⇒体感温度 20℃

といったように、断熱性能が高く表面温度の高い建物では、断熱性能が低く、表面温度の低い建物よりも室温が低くても体感温度は高くなります

さらに、断熱性能が高いと、足元と天井付近(高いところ)との温度差が少なくなり、「室温は高いのに顔ばかり火照って足元は寒い」といった不快感もなくなります。

まとめ

家を建てる時、より断熱性能の高い断熱材を選択すると確かに建築時のコストは上がってしまいます。
しかし、断熱材はほとんどが壁の中に施工する材料なので、住んでみて後から追加するということが簡単にはできません。

さらに、ほとんどの方が家を建てるとその家に何十年も住み続けることになります。そこそこの断熱性能の家では、ヒートショックのリスクや温度ムラによる不快感を長年我慢し続けることになります。

建築時にかけたコストを光熱費の削減だけで元を取ることは難しいかもせれません。しかし、何十年もの間、ストレスの少ない快適な室内で過ごすことができるのであれば、建築時にコストをかける価値は十分にあるとと思います。

 


森本一喜
森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。
大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所立ち上げる。
現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

コラム一覧に戻る