住まいのブログ
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価格という「ものさし」のみで家を選んでいませんか?東広島で価値のある家を手に入れるために

2020年3月23日 資金計画
代表取締役写真
記事の監修 代表取締役 森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

価格と価値の違い
漢字で書くと紛らわしくも見えますが、
英語だと「price」と「value」こうしてみるとわかるような気がしてきます。

「価格とは、何かを買う時に、支払うもの」
「価値とは、何かを買う時に、手に入れるもの」

有名な投資家であるウォーレン・バフェットの言葉です。

人生最大の買い物 マイホームの購入の時に価格以外のものさしをどれだけお持ちでしょうか?
そして、どれだけの価値が手に入るでしょうか?

価格以外の「ものさしと」は

よくお客様から新築のご相談を受けると、「予算は3000万円で」といわれます。
この3000万円という金額は、あまり根拠がないことが多いです。
それでは、この3000万円がどこから出てきた金額なのでしょうか?
話を伺っていくと、「よく広告で見る金額」だからのようです。

確かに、ここ東広島に入っている分譲住宅の金額は3000万円前後をよく見かけます。そのため「家はこれぐらいの金額なのでは」と思われているようです。

しかし、その3000万円の家にどれだけの「価値」があるかは、広告の情報のみではわかりません。そのため、「価格」というものさしのほか、数少ない情報でしかその家をはかるしかありません。

では、価格以外のものさしにはどのようなものがあるでしょうか?
以下のものが、考えられます。

利便性

これは、広告でも手に入りやすいものさしのひとつ。
駅や学校、買い物や病院などの近くであれば、価格に反映されていても、「便利だから価格も高いよね」ととても分かりやすい価値のひとつです

立地条件

これも、場合によっては広告でも手に入るものさし。
広告に地図が載っていれば周りの状況や方位がわかります。
「南向きの土地」は日当たりがよいため、価格も高めです。

ただ、地図だけでは、わからないこともあります。
例えば、南向きの土地でも、南側に背の高い建物が建っていれば当然日当たりは悪くなります。今、建物が建っていなくても、将来建つ可能性があるのであれば、そのことを考慮して計画をしなければなりません。そこが考慮されていれば、その建物には「価値」がありますよね。

安全性

家において、この安全性については様々なものがあります。

最初に思い当たるものが、「地震」に対するものが挙げられます。
たまに「弊社では第三者機関による検査を受けているため安全です」という文言を見かけますが、実はこの第三者機関による検査は安全性を検査しているものではありません。
第三者機関による検査はあくまでも、図面と現場の整合性であって、安全であるかどうかを検査しているわけではなく、図面通りに工事が進められているかをみるものです。

それでは、安全性は何によって担保されるのでしょうか?それは、建築士による
「設計」で家の安全性は担保されるのです。なので、地震に対する安全性などは、建築士が責任を負っています。

ただ、今の建築基準法では、「4号特例」というものがあり、一般的な二階建てまでの木造建築には構造計算書というその家の構造的な強さを計算した書類を提出することを免除されています。そのため、地震などに対応するために必要な壁
(耐力壁といいます)のバランスが悪い建物でも建てることができてしまいます。
建物や図面のみで一般の方が、この建物はバランスが悪いかどうかは、判断は出ません。せめて、「壁量計算書」の存在の確認はしておきたいものです。

地震に対する安全のほかにも、家の中での「事故」に対する安全性もあります。
その中でも代表的なものに、家のバリアフリー化があります。

住宅において、バリアフリーとは、主に段差をなくすことを指し、
部屋と廊下、部屋と部屋の出入り口の段差は5ミリ以内とすること、
など明確な基準もあり、段差をなくすことで、宅内での転倒を防ぎ、ケガを抑制することができます。

バリアフリーには、段差をなくすということ以外にも、温度差を少なくする
「室温のバリアフリー化」も最近では注目されています。

消費者庁の2018年統計によと、家の中の温度差による「ヒートショック」が原因とされる、宅内での死亡者数は、年間約19,000人と推計されており、この数字は
交通事故の死亡者数約3,500人の5.4倍にもなります。

この数字をみると、家の中が安全とはとても思えませんね。

家の中で温度差が、10℃を超えるとヒートショックのリスクが高まります。
このヒートショックのリスクを下げるとともに、室内環境を快適にするためには、家の断熱性能を高める必要があります。

しかし、その建物がどれほどの性能から「高断熱」と呼ぶかは明確な基準がなく、目安となる数値も平成11年に作られた、20年以上前のものを超えていれば、
「高断熱」と呼んでいる建物もあるので、建てられる建物の断熱性能はどれほどなのかは、確認する必要があると思います。

性能

ここ数年で、ようやく日本でも家の性能が気にされるようになってきました。

家の性能には
・断熱性能
・気密性能
・消費エネルギー
などが主に上げられますが、その他にも
・日射取得
・日射遮蔽
・蓄熱
など数値にして表せるものはいろいろとあります。

これらが、わかることにより主にその家の「燃費」がわかります。

家でいうところの「燃費が良い」=「光熱費が安い」といえます
購入して数十年生活する家です。光熱費が安く済むのであれば、
購入費用が高くても、生涯的にかかる費用は安く済むうえに、
性能の高い家の室内環境は快適になります。

例えば、冬の寒い時期、暖房はよく効いているけれど、顔ばかり火照って足元は寒いという経験はないでしょうか?
これは、断熱の性能が不十分なため壁や床、天井などの表面温度が低く室温のみが高くなるためにおこる現象で、断熱性能が低い室内の24℃よりも、断熱性能の高い室内の22℃の方が快適に感じます。

この他にも、先にも触れましたが、冬、断熱の性能が低いと室内で暖房をしている部屋と浴室やトイレといった暖房されていない部屋との温度差が原因で「ヒートショック」のリスクが高まります。

ヒートショックとは、家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、身体へ悪影響を及ぼすことです。
そして、この心筋梗塞、脳梗塞は、介護が必要になる大きな原因で、アルツハイマーに次いで、二番目の原因となっています。

断熱などの性能を上げることは、家の燃費をよくする=光熱費を下げるだけではなく、快適な室内空間と安全な生活環境も手に入ることになり、これは、金額だけであらわせるものではありません。

維持のしやすさ

家には多種多様な材料が使われており、そしてそのそれぞれの種類もとても多くあります。
外壁ひとつとってみても、サイディング、ガルバリウム鋼板、タイル、漆喰、レンガ、など様々なものがあり、そしてそれぞれの種類の中でもその性能も様々。

例えば、サイディングにも、塗装の種類、汚れが落ちやすいもの、厚みなどいろいろな特色があります。そして、それぞれの性能により値段も変わってきます。

建築時の金額を下げるために、金額の安い外壁材を選択したとします。
安い材料は、建てられている条件にもよりますが、たいてい15年から20年の間に塗装をし直さなければ、雨などの侵入を防ぐことができなくなり、家が傷む原因となります。

この外壁の塗り替えにはおよそ100~150万円の費用が掛かってきます。
例えば、35歳で家を購入すると、日本人の平均寿命から考えて、少なくても
2回は外壁の塗装が必要になります。そうなると、トータルコストは、
200万円~300万円かかることになります。
そのため、一見金額の安い家に見えても、生涯でかかるコストの高い家というのは数多く見受けられます。
建物を維持するために、建設時に費用をかけるか、生活をしながら維持費をかけるか、どちらかを建設時に選択する必要がありますね。

この、建物の維持のしやすさや、維持費のコストも建物を選ぶうえでの重要な
「ものさし」の一つだと思います。

まとめ

「今お住まいのアパートの家賃と同じ金額で庭付き一戸建てが手に入る」
よく広告で見かけるフレーズです。
小さなお子さんをお隣や上下階に気を使いながら育てている方には、夢のような話です。私も経験していましたが、周りの方たちが気にしなくてもいいと言ってくれてもやはり気を使いますからね。

確かに場合によっては、アパートの家賃並みのローン返済額で一戸建てが取得できます。ところが、その建設地は、学校までが遠かったり、公共交通機関へのアクセスが悪かったり、買い物に不便であったりという土地が大半です。

また、価格を安く抑えた住宅は、断熱性能が低い。断熱性能が低いと窓や壁なアドから夏の暑さや、冬の寒さの影響を受けやすく、当然光熱費もかさみます。

住宅ローンの返済額が今までの家賃と変わらなくても、交通費と光熱費が今まで以上にかかってしまうと生活費は高くなってしまします。
一般的に賃貸のアパートよりも購入した戸建ての方が広くなるため、平均な賃貸アパートと同等程度の断熱性能の住宅では、当然光熱費は上がってしまします。
そのため、暖房や冷房を極力使わずに我慢をして光熱費を抑えているご家庭も珍しくありません。

このように、夢とは程遠い話かもしれませんが、現実としてよく聞く事例です。

断熱性能の高い住宅は、低い住宅に比べれば単価は高いものになります。
しかし、工事費が高くなった分、光熱費は抑えられます。さらに、高断熱の家の室内環境は明らかに快適になります。さらに、建物の中の温度差が小さくなることで、「ヒートショック」などのリスクを軽減することもできます。

世の中には、そうそう「安くてよいもの」は存在しません。高いものには、それなりの価値があります。

長く住み続けるマイホームです。購入時の金額だけではなく、もっと多くの価値を基準に購入を検討するべきだと思います。

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