【豊栄の家】⑮ 古民家の外観を、どう仕上げるか
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
前回は、壁の珪藻土と床の無垢杉、自然素材を選んだ理由をお伝えしました。
今回は、家の外側——外観の仕上げについてです。
リフォーム前の外観
工事が始まる前の豊栄の家は、瓦屋根と漆喰の妻面が印象的な、
古民家らしい外観をしていました。

長い年月を経た瓦や漆喰には、それぞれに風格があります。
ただ、屋根や外壁には傷みも見られ、
そのままでは住み続けるのが難しい状態でした。
今回の工事では、昔ながらの外観を一部を残しながら、
性能面を新しくする外観づくりを目指しました。
リフォーム後の外観

屋根は瓦からガルバリウムへ葺き替え、
外壁も新しく仕上げています。
一方で、軒先のデザインや鬼瓦の一部、
木組みの梁といった部分は、解体せずにそのまま活かしました。
性能を大きく更新しながらも、もとからあった建物の表情が
いろいろなところに残る外観になっています。
新しい外壁と、古い軒
豊栄の家の外観で特徴的なのが、新しいモルタル外壁と、
もともとあった古い軒や梁の組み合わせです。
これまでお伝えしてきたように、外壁の下地にはアミパネルを使い、
その上に透湿防水シートを張り、最終的にモルタルで仕上げています。
一方で、軒先や梁といった構造の一部は、解体せずにそのまま活用しました。

写真をご覧いただくと、上部の木の梁は色が濃く、
年月を感じさせる質感をしています。
一方、その下の壁は真新しいモルタル仕上げです。
新旧の素材がそのまま隣り合っている、古民家リノベーションらしい一枚です。
金属装飾が気に入ったから、軒を残した

軒先には、植物をモチーフにした金属の装飾が施されています。
これを最初に見たとき、単純に「良いものだ」と感じました。
今では同じものを作ることが難しい、職人の手仕事です。
この装飾を残したい、という気持ちが、
軒先全体を解体せずに活かす判断につながりました。
すべてを新しくするのではなく、すべてを古いままにするのでもない。
残すべきものを見極め、新しくすべきところには現代の技術を取り入れる。
この判断の積み重ねが、豊栄の家の外観をつくっています。
玄関まわりの仕上げ

玄関ドアには、ユダ木工の木製玄関引戸を採用しています。
国産の桧材を職人がひとつひとつ仕上げた製品で、
見た目の温かみだけでなく、高い断熱性能も備えています。
木製の引戸は気密性で劣るというイメージを持たれがちですが、
扉の厚みや断熱材の工夫によって、
現代の住宅にも対応できる性能を実現しています。
古い軒下に、桧の質感を生かした新しい玄関ドアが収まることで、
新旧が無理なく共存する入り口になっています。
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