【豊栄の家】⑭ 珪藻土の壁と無垢の杉床。自然素材を選ぶ理由
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
前回は、樹脂サッシへの交換と既存の建具を活かす考え方についてお伝えしました。
今回は、壁と床に使った自然素材の話です。
壁に珪藻土を選んだ理由
豊栄の家では、壁の仕上げに珪藻土を採用しました。
珪藻土は、藻の化石が堆積してできた土を
主原料とした塗り壁材です。
表面に目に見えない細かなくぼみがたくさんあり、
湿気を吸ったり放出したりする働きがあります。
梅雨時のじめっとした空気もやわらげ、
冬場の乾燥した空気にも一定の潤いを保つ、
調湿性に優れた素材です。
ビニールクロスのように工場で大量生産された素材ではなく、
職人が手で塗り上げていくため、
表面には所々で異なる微妙な凹凸や表情が生まれます。

写真の壁の質感をご覧いただくと分かるように、
珪藻土は決して真っ平らではありません。
この微妙な凹凸が光を柔らかく反射し、
空間に奥行きと温かみを与えてくれます。

照明の灯り方によって、珪藻土の壁が見せる表情も変わります。
朝の自然光、夜の照明、それぞれの場面で壁の質感が違って見えるのも、
自然素材ならではの魅力です。
床に無垢の杉を選んだ理由
床には、無垢の杉を張っています。
無垢材とは、一枚の木からそのまま切り出した板のことです。
合板やフローリングのように複数の薄い板を接着剤で貼り合わせたものとは違い、
木そのものの質感や香りがそのまま感じられます。
杉は柔らかい木材で、肌触りがよく、
夏は涼しく冬は温かく感じられるという特徴があります。
素足で歩いたときの感触が、合板のフローリングとは大きく異なります。

無垢材には、節があったり、色味にばらつきがあったりします。
これは欠点ではなく、木が本来持っている個性です。
一枚一枚違う表情を持つ床だからこそ、年月を経るごとに味わいが増していきます。
自然素材は、時間とともに育っていく
ビニールクロスや合板フローリングは、新築時が最も綺麗な状態で、
年月が経つにつれて劣化していくことが多い素材です。
一方、珪藻土や無垢材といった自然素材は、
使い込むほどに色合いが深まり、
味わいが増していくという特徴があります。

豊栄の家では、組子天井や山水画の襖といった既存の意匠を残しながら、
壁と床には新しく自然素材を選びました。
古いものと新しいものが、同じ「自然の素材」という共通点でつながり、
違和感なく一体化しています。
これから何十年とこの家で過ごすご家族にとって、
珪藻土の壁や無垢の杉床は、年月とともに少しずつ変化しながら、
家族の暮らしの記憶を刻んでいく素材になると思います。
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