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【豊栄の家】⑪ 二世帯で暮らすための間取り。壁一枚の重さ

代表取締役写真
記事の監修 代表取締役 森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。

前回は、外壁の下地に使ったアミパネルと透湿防水シートの話をお伝えしました。

今回は少し内側に入って——間取りの話です。

▶ 前回の記事「⑩ 外壁にアミパネルを使う理由。通気と耐力を同時に作る」はこちら

二世帯住宅の間取りで大切なこと

二世帯住宅のリノベーションで、最も慎重に考えなければならないのが間取りです。

 

同じ屋根の下で暮らすとはいえ、親世帯と子世帯はそれぞれ別の生活があります。

食事の時間、就寝の時間、来客の頻度——日常の細かなリズムが違う二世帯が、

お互いに気を遣いすぎず、かつ必要なときにはすぐ助け合える距離感。

その「ちょうどよい距離」が、今回の間取り設計の核心でした。

 

二世帯住宅は、共有する部分と、それぞれが独立して使う部分のバランスが大切です。

何もかも一緒にすると息苦しく、何もかも別々にすると

今度は孤立してしまいます。

豊栄の家では、そのバランスをどう取るかをじっくり考えました。

 

廊下と階段を境に、左右で分ける

豊栄の家では、建物の中央を走る廊下と階段を境に、

左側(西側)を子世帯、右側(東側)を親世帯としました。

廊下と階段まわりの様子。階段が二世帯の動線を分けるポイントになっている
完成後の階段まわりの様子。この階段と廊下が、親世帯と子世帯をやわらかく分けるポイントになっています。

子世帯側にはLDKや寝室、仏間、昔からある広縁(インナーテラス)

親世帯側にはLDK、寝室、共用の浴室・洗面といった水回りがまとまっています。

壁で完全に仕切るのではなく、廊下を共有の動線として残すことで、

「別々に暮らしながらも、つながっている」感覚を大切にしています。

 

食事とお風呂は一緒に。キッチンはそれぞれに

毎日の食事は、子世帯のキッチンで家族全員が揃って食べる形を想定しています。

お風呂も浴室を共有して一緒に使います。

食卓とお風呂という、暮らしの中の大切な時間を共にすることで、

二世帯の自然なつながりが生まれます。

 

子世帯のLDK。アイランドキッチンとダイニングテーブルが中心に置かれている
子世帯のLDKの様子。キッチンを中心に、家族が食事を囲む場として設計されています。無垢の杉床が空間に温かみをもたらしています。

 

一方で、親世帯の部屋にもミニキッチンを備えています。

毎日の食事は一緒でも、ちょっとお茶を淹れたい、

軽く何かをつまみたいというときは、親世帯が自分のペースで使えます。

「基本は一緒に、でも無理はしない」という柔軟な暮らし方ができるのが、

このキッチンの役割です。

 

トイレは各世帯に一か所ずつ。親世帯は寝室のそばに

リノベーション前のトイレは、廊下に小便器と大便器が別々に並ぶ配置でした。

これを今回のリノベーションで、各世帯に一か所ずつ、合計2か所に再配置しました。

 

特に意識したのが、親世帯の寝室のすぐそばにトイレを設けたことです。

以下の図面をご覧ください。

 

親世帯エリアの間取り図。主寝室1のすぐ隣にトイレが配置されている
親世帯エリアの間取り図。「主寝室1」のすぐ隣に「トイレ」が配置されているのが分かります。浴室・ウォークインクローゼット・収納もひとつのエリアにまとまっています。

 

年齢を重ねると、夜中にトイレに起きることが増えます。

そのとき、暗い廊下を長く歩かなければならないのは、

体への負担だけでなく、転倒などのリスクにもつながります。

寝室のドアを開けてすぐそこにトイレがある——このシンプルな配置が、

親世帯の日常の安心につながります。

 

そこで暮らす人の動きを想像しながら、間取りを考える

間取りを考えるとき、大切なのは「そこで実際にどう動くか」を

細かく想像することです。

 

朝起きてトイレに行く。食事をして片付ける。

お風呂に入って寝室に戻る——こうした毎日の何気ない動きが、

間取りによってスムーズになることもあれば、不便になることもあります。

特に二世帯住宅では、親世帯と子世帯それぞれの動線が交差する場面も多く、

どこで分け、どこでつながるかを丁寧に整理することが求められます。

 

豊栄の家では、廊下という「間」を大切にしながら、

二世帯がそれぞれのペースで気持ちよく暮らせる動線を実現しています。

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