【豊栄の家】①東広島市豊栄町の古民家が、二世帯の住まいに生まれ変わるまで
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
先日、豊栄の家の完成見学会を開催しました。
この連載では、2025年7月の解体工事から
完成までの10ヶ月を、写真とともに振り返っていきます。
古い民家の改修を考えている方や、
リノベーションに興味のある方の
参考になれば幸いです。

この家のこと
豊栄の家は、ご夫婦が奥様のご実家を改修した物件です。
もともとは奥様の祖父母と奥様のご家族が暮らしていた古い民家で、
築年数は50年近くになります。
ご夫婦は東京に在住されており、
ご実家をどうするかということを
長く考えてこられたようです。
「壊してしまうのはもったいない。
でも、このままでは暮らせない」という気持ちは、古い家を持つ多くのご家族に
共通するものではないでしょうか。
最終的には、ご主人のご両親とご夫婦が一緒に暮らせる二世帯の住まいへと改修する、
という方向で動き出しました。
設計事務所との縁について
私はこれまで、設計事務所からのご依頼はほとんどお受けしてきませんでした。
工務店と設計事務所の関係は、
目指す家づくりの方向性が一致していないと、現場でさまざまな摩擦が生じやすいからです。
ただ、今回は例外でした。
この物件の設計を担当されたのは、
(以後長いので1985と書きます)
という活動を通じて
ご縁のある設計事務所さんです。
1985のアクションは、家庭のエネルギー消費量を1985年レベルまで削減することを目指す、
建築のプロたちによる勉強と実践の活動です。
断熱・省エネ・温熱環境といったテーマに真剣に向き合っている方々が
全国から集まっており、私もその活動に参加しています。
同じ勉強会で日々研鑽を重ねている間柄ということで、
家づくりに対する考え方や大切にしていることが近い。
そのご縁があったからこそ、今回はお受けすることにしました。
最初に現場を見たときのこと
現地に初めて足を運んだとき、
建物の大きさに少し驚きました。
「これは大きいな」というのが
正直な第一印象でした。
足場を組んで外観を確認すると、
赤茶色の瓦と、屋根の棟に飾られた立派な鬼飾りが目に入りました。
古い民家ならではの風格があります。
一方で、長い年月の間に傷みが進んでいる箇所もあり、
「どこを残して、どこを直すか」という判断を、
これからひとつずつ
していかなければならないと感じました。

室内に入ると、彫刻の施された欄間や組子の天井が残っていました。
50年近い時間をかけて守られてきたもので、
できることなら残したいと思った部分です。

ただ同時に、長年使われてきた家であるがゆえの傷みや、見えていない部分への不安もありました。
古い民家の改修では、
「解体してみて初めてわかること」が必ず出てきます。
プランを立てる段階では、
ある程度その想定外を見込んでおく必要があります。
この連載でお伝えしたいこと
解体工事は2025年7月からスタートし、
完成まで約10ヶ月かかりました。
その間、屋根の状態、構造材の傷みと補強、断熱の施工、窓の選択、内装の仕上げまで、
さまざまな判断をしながら工事を進めてきました。
予定通りに進まなかったこともありましたし、
解体して初めてわかった問題に
その場で対処したこともあります。
それらをできるだけ正直に、
写真とともにお伝えしていきたいと思っています。
古い実家をどうしようか悩んでいる方、
リノベーションを検討されている方、
あるいは家づくりや工事というものに少し興味がある方にとって、
参考になることがあれば幸いです。

次回は、解体工事が始まった2025年7月のことからお話しします。
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