【注文住宅】収納はどうする?失敗例からわかる知っておきたいポイントとは
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。生粋の地元人で、八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学を卒業。大工として弟子入りし修行を積んだ後、6年後に独立。その後、二級建築士を取得し、設計事務所を立ち上げる。現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担当し、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。 プライベートでは三姉妹の成長を見守る父として日々奮闘中。
目次
『注文住宅は収納に失敗しやすい』といわれる理由とは
注文住宅は、自由に設計できるからこそ「収納で失敗してしまう」ケースが意外と多いと言われています。
間取りの自由度が高い分、家族の暮らし方・収納量・動線を具体的にイメージできていないと、完成してから「思ったより入らない」「使いづらい」「動線が悪い…」という後悔につながりがちです。
特に、子育て世代のご家庭では荷物が増えやすく、成長とともに必要な収納量も変化していきます。
そのため、今だけでなく5年後・10年後の暮らしまで見据えた”計画的な収納設計”がとても大切です。
無計画に収納スペースを設けてしまった
注文住宅でよくある失敗のひとつが、「とりあえず収納をつくっておけば安心」という考え方です。
一見、収納は多いほど良いように思えますが、実際には“使い道を想定しない収納”はほとんど使われないか、逆に物が押し込まれて“死蔵品置き場”になってしまうことも少なくありません。
例えば、
- とりあえず廊下に押し入れをつくったが、奥行きが深すぎて使いにくい
- 2階の納戸を広くしたものの、生活動線から外れているためほぼ使われていない
- 家族の持ち物を把握しておらず、完成してから収納が全く足りないことに気づいた
など、「何を入れるための収納なのか」を明確にしないままつくってしまうと、生活が始まってから後悔につながります。
収納づくりで重要なのは、ただ面積を増やすことではなく、
“必要な場所に・必要な量を・使いやすい形で”計画すること。
これが欠けると、せっかくの注文住宅でも使い勝手の悪い住まいになってしまうのです。
使いづらい収納になってしまった
収納スペースを確保したつもりでも、実際に暮らし始めると「使いづらい…」と感じるケースはとても多いものです。
その原因の多くは、サイズ・高さ・奥行き・扉の種類・配置などの“使い勝手の設計”が不十分だったことにあります。
例えば、
- 奥行きが深すぎて手前に物が溜まり、奥の物が取り出せない
- 可動棚が少なく、収納物に合わせて調整できない
- 枕棚が高すぎて、踏み台がないと使えない
- 引き戸ではなく開き戸にしたため、動線と干渉して開閉しづらい
- 収納が部屋の端にあり、動線と合わず“わざわざ取りに行く”必要がある
こうした「使いづらさ」は、毎日の生活の中で小さなストレスが積み重なる原因になります。
収納は「つくる」ことが目的ではなく、
暮らしをスムーズにするための“道具”として機能するかどうかが何より重要です。
そのためには、
✔ 何を入れるか
✔ どのくらいの量か
✔ どの場所で使うものか
✔ 誰が使うのか(大人か子どもか)
を事前に整理し、それに合わせて形や高さを最適化することが大切です。
場所別の収納の失敗例をご紹介
収納の後悔は、家のどこにでも起こり得ます。
特に注文住宅では、生活スタイルに合わせて自由に設計できるため、場所ごとに求められる“使い勝手”を具体的にイメージできていなかったことが失敗につながる原因になりがちです。
例えば、毎日使う「玄関まわり」や「キッチン」、物が集まりやすい「リビング」、将来の荷物が増える「個室」など、それぞれに必要な収納量や形は大きく異なります。
にもかかわらず、どの部屋も同じ考え方で収納をつくってしまうと、“取り出しにくい”“片付かない”“使わなくなる”といった問題が起こりやすくなります。
ここからは、実際に多くのご家庭で見られる「場所別の収納の失敗例」をご紹介しながら、どんな点に注意すれば後悔しない収納計画になるのか、分かりやすく解説していきます。
玄関
玄関は家族も来客も必ず通る場所であり、家の第一印象を左右する大切な空間です。
しかし、実際には収納計画が不十分で、暮らし始めてから後悔するケースが非常に多い場所でもあります。
よくある玄関の収納失敗例としては、次のようなものがあります。
- 靴の数を甘く見ていた
家族が増えたり、季節物の靴が増えたりしてシューズボックスがすぐいっぱいに。結局、玄関に靴が出しっぱなしになってしまう。 - 外で使う物の収納を想定していなかった
ベビーカー、アウトドア用品、子どものスポーツ道具、雨具など“外に近いほうが便利な物”の置き場がなく、玄関が常に雑然としてしまう。 - 動線に合わず、使いづらい配置になっていた
玄関の奥に収納をつくったせいで、靴を脱いだ後にわざわざ戻らないと片付けられない…というストレスが発生。 - 土間収納が広いだけで使い道が曖昧
広さだけは確保したものの、棚がなかったり高さが合わなかったりして、荷物が積まれて使いづらい空間に。
玄関収納のポイントは、
「靴だけでなく“外で使う物すべて”を想定して計画すること」。
さらに、使う頻度や動線に合わせて棚の高さや配置を調整することで、散らかりにくくスッキリとした玄関を保つことができます。
その他にも、オープン稼働棚を下駄箱代わりに使う場合、匂いにも気を付ける必要があります。
キッチン
キッチンは毎日使う場所だからこそ、収納の使いづらさがストレスになりやすい空間です。
注文住宅では、「見た目」や「広さ」ばかりに目がいき、実際の家事動線や収納量を十分に考えられなかったことが失敗につながりがちです。
よくあるキッチンでの収納失敗例は次の通りです。
- “とりあえず引き出しを増やした”結果、使い道が曖昧に
深すぎる引き出しに何を入れるか決まっておらず、気づけば上のほうに物が溜まり、下の物は使われなくなる。 - パントリーを作ったが、内部が棚だけで使いにくい
奥行きが深すぎて食品が行方不明に…。また、動線から離れているため“わざわざ取りに行く”収納になってしまう。 - ゴミ箱の置き場を考えていなかった
分別が多い地域ほど置き場所が重要。後から置くスペースを確保できず、キッチンが狭く感じてしまう。 - 調理家電の置き場が足りない
炊飯器・電子レンジ・トースター・電気ケトル…
家電のサイズや数を把握していないまま造作収納を作り、結果としてカウンター上に家電が溢れる。 - 作業動線に合わない収納配置
よく使う物(調味料、ラップ、鍋、フライパンなど)が遠くにあり、料理中に何度も歩く必要が出てしまう。
キッチン収納のポイントは、
家事の流れを具体的にイメージしながら「使う物が使う場所にある状態」をつくること。
さらに、食品や家電は“増えるもの”と考え、少し余裕を持った収納計画にすることで、快適なキッチンが実現します。
リビング
家族が最も長く過ごすリビングは、モノが集まりやすい場所です。
にもかかわらず、「とりあえず広くしたい」「家具を置けば大丈夫」という考えで収納計画が後回しになり、暮らし始めてから後悔する方が非常に多い空間でもあります。
リビングでよくある収納の失敗は次のようなものです。
- “とりあえずテレビ台に収納すればいい”と思っていた
実際は、リモコン・書類・文房具・子どもの学校道具・薬・ゲーム機など、テレビ周り以外の物がどんどん増えて対応しきれない…。 - 子どもの物の置き場が曖昧で散らかりやすい
教科書・習い事用品・おもちゃなど、リビングに持ち込みがちな物の収納場所が明確でないため、常に片付かない状態に。 - 郵便物や書類が置き場を失って山積みに
家族全員分の書類や学校のお便り、配布物などがカウンターやテーブルに溜まりがち。 - “収納家具を後から置けばいい”が失敗のもと
家具の色・サイズ・奥行きが揃わず、雑然と見える原因に。
壁面収納を最初から計画しておけば、スッキリ収まりやすい。 - コンセントやLANの位置が合わず、ゴチャついた印象に
Wi-Fiルーターや充電器、ゲーム機の電源など“リビングで使う電気”が多いのに、最適な場所にコンセントを計画していなかった。
リビングは「家族みんなの物が集中する場所」だからこそ、
“何をどこにしまうか”を最初に決めておくことがとても重要です。
また、子育て世代のご家庭では、
将来の荷物の増減や生活スタイルの変化も見据えて収納を考えることで、ずっと片付けやすい空間が保てます。
寝室や家族の個室
寝室や子ども部屋は、来客の目につきにくい分、収納計画が後回しになりがちな場所です。
しかし、プライベート空間こそ収納の計画性が暮らしやすさに直結します。
以下のような失敗は、多くのご家庭で起こりがちです。
- “とりあえずクローゼットをつけただけ”で使いにくい
奥行きや幅が合わず、衣類が入りきらない、ハンガーパイプが1本だけで収納効率が悪い…など、結果的に衣服が部屋にあふれてしまう。 - 布団や季節家電の収納場所を考えていなかった
来客用の布団、扇風機、加湿器など“季節や用途が限られる物”の置き場がなく、部屋の隅に置きっぱなしに。 - 子どもの成長に合わせた収納の変化を想定していない
小学生のうちは少なかった荷物が、中学・高校になると教科書・部活用品・制服・衣類と一気に増加。
その変化を見越していなかったため、収納がすぐにパンクしてしまう。 - ベッドの置き方で収納扉が開かなくなる
間取り図上では問題なく見えても、実際に家具を置くと扉が干渉して開かない…という意外な落とし穴。 - 子ども部屋に“使う場所に合わない収納”をつくった
机から離れた位置にランドセル収納を作ってしまい、結局机周りに物が山積みに。
収納の位置と行動(支度・片付け)が合っていないと散らかりやすくなる。
寝室・子ども部屋の収納は、
「衣類の量」「季節物の有無」「将来のライフステージの変化」
を踏まえて設計することが大切です。
特に子ども部屋の収納は、単に“しまう場所”ではなく
自分で片付けやすい導線を作ることが、日常の整理整頓の習慣づくりにもつながります。
洗面脱衣室
洗面脱衣所は、家の中でも特に物が集まりやすく、作業も多い場所です。
にもかかわらずスペースが限られていることが多く、収納の計画不足が後悔につながりやすい代表的な場所でもあります。
よくある失敗例はこちらです。
- 「タオル類」「洗剤」「ストック品」の量を想定していなかった
家族の人数が多いほどタオルは増え、ストック用品も多くなります。棚が少なかったり奥行きが合わなかったりして、生活感のある物が常にカウンター上に出たままに。 - 洗濯動線と収納がバラバラで使いづらい
洗濯→干す→しまうの動きがスムーズでないと、洗濯物が脱衣所に溜まりがち。
洗面脱衣所に下着やパジャマの収納を設けなかったため、取りに行く手間が毎日発生してしまうケースも。 - ランドリーバスケットの置き場を確保していなかった
完成後に置く場所がなく、通路が狭くなる、動線が妨げられるなどのストレスが発生。 - 可動棚が少なく、収納する物に高さが合わない
洗剤ボトルやストック品の高さが棚に合わず、結局使いにくいデッドスペースが生まれてしまう。 - バスタオルや家族分の衣類を干すスペースが足りない
室内干しのニーズを考慮していなかったため、いつも洗濯物が部屋に干された状態に…。
生活感だけでなく湿気のこもりやすさにもつながる。
洗面脱衣所は、
「家事」「身支度」「収納」の3つの役割が同時に起こる場所だからこそ、
収納計画の優先順位が非常に重要になります。
ポイントは、
✔ 家族人数に合わせた収納量
✔ 洗濯動線と収納動線の一致
✔ ストック品の量を見越した可動棚設計
✔ ゴミ箱・バスケットなど“置き場所のある生活”の計画
これらをしっかり抑えることで、毎日の家事がぐっとラクになります。
極論になってしまうかもしれませんが、私的にはリビングを狭くしてでも洗面脱衣室は余裕のある計画にした方が良いと思います。
トイレ
トイレは家の中でも特にスペースが限られている場所です。
そのため、収納計画が不十分だと「置きたい物が置けない」「見た目が雑然とする」など、意外に後悔の多い場所でもあります。
よくある失敗例はこちらです。
- トイレットペーパーのストック量を考えていなかった
家族が多いほど消費量も多く、数個置ければ十分と思っていた収納がすぐにいっぱいに。
結局、廊下や別の収納から取りに行く手間が発生してしまう。 - 掃除用品の収納場所がなく、見えるところに置かざるを得ない
トイレブラシ、洗剤、除菌シートなどの“生活感が出やすい物”の置き場がなく、インテリアの美観を損ねてしまう。 - 手洗い器を設けたが、収納が一切ついていなかった
タオルやハンドソープ、予備の用品を置くスペースがなく、カウンターが常に散らかる原因に。 - 造作収納の奥行きや高さが合っていない
奥行きが浅すぎて物が入らない、深すぎて使いづらいなど、“使う物のサイズに合わせていない収納”がデッドスペース化してしまう。 - 棚をつけたが、座ったときに圧迫感がある
トイレは狭い空間なので、収納位置や高さが悪いと心理的に窮屈さを感じてしまう。 - 子どもが使いにくい収納になっている
トイレットペーパーの位置や掃除用品の位置が高く、子どもが届かない…という小さなストレスが積み重なる。
トイレ収納のポイントは、
「家族の使用頻度」「ストック量」「掃除のしやすさ」
を踏まえ、必要な物だけをスムーズに取り出せる配置にすること。
特に、
✔ 細かい物をしまえる浅めの棚
✔ ストック品をまとめられる可動棚
✔ 掃除がしやすい収納計画
を取り入れると、コンパクトな空間でも快適に保ちやすくなります。
今の時代だからこそ、外に置く物置が活躍する
近年、家づくりでは家の中に十分な収納を確保することが重視されてきました。
そのため、昔は一般的だった“屋外の物置”を置く家庭は以前より少なくなっています。
しかし今の住宅事情を考えると、あえて外に物置を設けるという選択が、見直されつつあります。
理由はシンプルで、建築資材の高騰により住宅そのもののコストが上がっているため、家の中に大きな収納スペースを作るほど坪単価も上がるという現実があるからです。
たとえば、
・アウトドア用品
・ベビーカー
・季節用タイヤ
・園芸用品
・子どもの外遊び道具
など、“家の中に置く必要のない物”を外の物置にまとめて収納することで、室内の収納量を抑えることができます。
これは結果として、
延床面積を増やさずに必要な収納力を確保できる=建築コストを下げられる
という合理的なメリットにつながります。
また最近の外物置は、
デザイン性が高く、耐久性も向上しているため、外観を損なわずに設置できるタイプも多くあります。
“外部収納をうまく活用する家づくり”は、今の時代に合ったコスト賢い方法として非常に有効です。
注文住宅の収納作りで失敗しないためのポイントをご紹介
ここまで、収納計画でよくある失敗例を見てきましたが、裏を返せば“ポイントをおさえれば収納は必ず使いやすくできる”ということでもあります。
注文住宅は自由度が高いからこそ、家族の暮らし方に合わせた最適な収納をつくることができます。
大切なのは、「どれだけ収納をつくるか」ではなく、「どのように使える収納にするか」。
この視点を持つだけで、家の使い勝手は大きく変わります。
家族構成やライフスタイル、動線、荷物の量は家庭によって異なります。
その“わが家ならでは”の暮らし方に合わせて収納を計画することで、片付けやすく、ストレスの少ない住まいが実現します。
ここからは、注文住宅の収納で後悔しないためにぜひ押さえておきたい具体的なポイントをご紹介します。
収納するものは年齢を重ねるごとに変化する
収納計画で意外と見落とされやすいのが、“人の荷物は年齢やライフステージによって大きく変化する”という点です。
今の暮らしだけを基準に収納を考えてしまうと、数年後には使いづらくなったり、収納が足りなくなったりという後悔につながります。
例えば——
子育て世代のご家庭であれば、子どもの成長に合わせて必要な物は大きく変わります。
- 乳幼児期:ベビーカー、オムツ、衣類、育児用品
- 小学生:ランドセル、学校教材、習い事グッズ
- 中高生:部活用品、制服、趣味の道具、教科書量の増加
- 成人後:部屋の使い方自体が変化し、収納の役割も変わる
大人も同じで、趣味が変わったり、仕事道具が増えたり、健康器具が必要になったりと、ライフステージの変化は必ず訪れます。
そのため、収納をつくるときには「今の物」ではなく「未来の物」も想定することが大切です。
ポイントは次の通りです。
- 可動棚や可動パイプを採用し、変化に対応できる収納にする
- “増える時期・減る時期”を見越して収納量に余白を持たせる
- 部屋の使い方が変わっても対応できるよう、汎用性の高い収納をつくる
家族の人生とともに収納も変化していくもの。
“今ちょうどいい収納”ではなく、
これからの暮らしにもフィットする収納計画が、長く住みやすい家づくりにつながります。
収納を活用するときのルールを決めておく
どれだけ使いやすい収納をつくっても、家族全員が同じルールで使わなければ、すぐに散らかってしまうのが現実です。
収納とは、ただ「物をしまう場所」ではなく、暮らしを整える仕組みでもあります。
そのため、注文住宅の収納計画では、
“どう使うか”というルールづくりをあらかじめ決めておくことがとても重要です。
■よくある収納ルールの例
- 物の住所を決める
リビングのリモコン、学校のプリント、印鑑、薬、鍵など、決まった場所に戻す習慣があるだけで片付けが圧倒的にラクになります。 - 「ワンアクション」で戻せる仕組みをつくる
扉を開けて、箱を開けて…といった動作が多いと、片付けが続かなくなります。
扉を開けるだけ、棚に置くだけ、引き出しを軽く閉めるだけ——
1〜2動作で片付く収納は、家族全員が自然と続けられます。 - モノの量の“上限”を決めておく
衣類、タオル、調味料、日用品のストックなど、増えがちな物ほど“これ以上は持たない”ラインを決めておくと管理が簡単です。 - 家族で共有する物と個人で管理する物を明確にする
リビングに集まりがちな文具・プリント類・おもちゃなどは、
共有ゾーンに置く物、個人で管理する物を分けておくと散らかりにくくなります。
■収納のルールづくりは「家を建てる前」が最適
収納ルールは、家が完成してからでは調整しにくいこともあります。
間取りの段階で
- どこに何を置きたいか
- 家族がどう動くか
- 誰が管理するか
をイメージしておくことで、散らかりにくい“仕組みのある家”を実現できます。
収納は「つくる+使う」で初めて意味が生まれるもの。
家族全員が迷わず片付けられるルールを準備することで、新しい住まいの快適さが長く続きます。
生活動線を意識して収納位置を決める
収納計画で最も重要といっても過言ではないのが、生活動線と収納の位置を一致させることです。
どれだけ容量が大きくても、使いたい場所から遠かったり、動線を逆行したりすると、収納は“使いにくい場所”になってしまいます。
■生活動線と収納がズレると起きる問題
- 片付けのために毎回同じ場所まで歩く必要がある
- 家族の行動ルートと交差してストレスが生まれる
- 使う場所としまう場所が遠く、散らかりやすくなる
- 結局、便利な場所に“仮置き”が増えてしまう
こうした小さなストレスの積み重ねが、
「片付かない家」につながります。
■“使う場所のすぐそば”に収納を配置する
動線を意識した収納の基本は、
「使う場所の近くに収納を置く」こと。
例えば——
- 玄関近くに、外出グッズや上着をしまう収納
- キッチンそばに、食品・ストック・調理器具収納
- リビング横に、書類・文具・子どもの学校用品収納
- 洗面脱衣所に、タオル・下着・ストックの収納
- 階段近くに、掃除機などのちょこっと家事道具の収納
このように動線上に“必要な物を置ける場所”があると、片付けが自然と習慣になります。
■家事動線も収納位置設計に大きく影響
特に家事動線は、
「使う→戻す」までの距離を短くすることが大きなポイントです。
例えば——
洗濯物をしまう動線を短くするために、
「洗う→干す しまう」をワンエリアで完結できる収納を計画することで、毎日の家事が圧倒的にラクになります。
■家族全員が使いやすい動線を考える
動線は家族構成や生活スタイルでも変わります。
子ども・大人・高齢者、それぞれの行動パターンをイメージすると、より使いやすい収納が見えてきます。
生活動線に合わせて収納を計画するだけで、片付けやすく、散らかりにくい家が自然とできあがります。
これは注文住宅だからこそ実現できる大きなメリットです。
電気の配線も忘れない
収納計画を考えるときに意外と見落とされがちなのが、電気の配線・コンセント位置です。
近年は家電や充電機器が増え、収納内部で電気を使うケースも多くなっています。
そのため、収納の大きさや場所だけでなく、どこで電気を使うのかを一緒に考えることが重要です。
■“コンセントがない収納”は後悔につながる
例えば、次のようなケースは非常に多いです。
- ルンバなどのロボット掃除機を収納したいのに、充電用のコンセントがない
- パントリー内に家電を置きたいのに、電源が届かない
- 帰宅動線に沿ってスマホの“充電ステーション”を作りたかったが、配線を後から追加できず断念
- クローゼット内の照明をつけなかったため、中が暗くて見えづらい
こうした小さなは、暮らしの快適さに大きく影響します。
■収納と一緒に考えるべき電気計画
収納計画時に以下の点を意識すると失敗が減ります。
- パントリーに電子レンジ・トースター・炊飯器を置くならコンセント必須
- クローゼット内に簡易照明やセンサーライトを設置する
- 掃除機の充電場所を動線上の収納に決める
- 玄関収納に電源を設けて、電動自転車のバッテリー充電に対応
- Wi-Fiルーターをしまう場所にLANと電源をセットで配置
特に最近は、
“見せない収納”の中にコンセントを忍ばせることで、生活感のないスッキリした家が実現できます。
■電気計画は家が完成してからでは遅い
電気配線は壁の中に組み込まれるため、後から追加するのは簡単ではありません。
だからこそ、収納計画と同じタイミングで
「何をどこで使うか・どこで充電するか」
を決めておくことが大切です。
収納の“形”だけでなく、収納の“機能”を高めるのが電気計画。
これを忘れずに考えることで、注文住宅の暮らしやすさがぐっと向上します。
ミスフィットでも良いではないでしょうか?
収納効率を考える
収納は「広ければ良い」わけではありません。
大切なのは、限られたスペースをいかに効率よく使えるかという視点です。
収納効率を高めるだけで、同じ面積でも驚くほど使いやすくなります。
■奥行き・高さ・幅のバランスが重要
収納の使いやすさは、サイズのバランスで大きく変わります。
- 奥行きが深すぎると、奥の物が“死蔵品”化しやすい
- 高さが合わないと、空間がデッドスペースになる
- 幅が狭いと入りたい物が入らない
収納する物のサイズを把握し、それに合わせて奥行き・高さ・幅を調整することで、
無駄のない収納が完成します。
■可動棚は絶対に便利
収納効率を上げるために欠かせないのが、可動棚(高さ調整できる棚)です。
- 季節によって変わる物の高さ
- 子どもの成長によって変わる荷物
- ストック量の増減
こうした“変化”に柔軟に対応できるため、長く使いやすい収納を実現できます。
■引き出し・棚・ハンガーの最適な組み合わせ
収納効率は、収納方法の組み合わせで大きく変わります。
- ハンガーパイプ:衣類を多く掛ける家庭に最適
- 引き出し収納:下着・小物類に使いやすい
- 棚収納:高さのある物やストック品に向いている
これらをバランスよく配置することで、
使う物に合った“適材適所収納”が実現します。
■収納効率を上げる工夫例
- 棚の奥行きを“取り出しやすい深さ”に設定
- ワゴンや収納グッズを活用して“動く収納”をつくる
- デッドスペースに細い棚を設置して“隙間収納”にする
- ハンガー2段掛けで衣類の収納力を2倍に
- 高さのある空間にはロングコート用のスペースを確保
■「どれだけ入るか」より「どう使うか」
収納効率は、量より質です。
ただ物が入るだけでは片付けやすい収納にはなりません。
“出し入れしやすい”“戻しやすい”という視点が加わって初めて、本当に使いやすい収納になります。
収納効率を高める計画こそ、毎日の家事をラクにし、自然と片付けが続く家づくりの鍵になります。
造作収納を取り入れる
注文住宅の大きな魅力のひとつが、暮らしに合わせてオリジナルの収納をつくれることです。
既製品の収納家具に合わせて生活するのではなく、生活スタイルに合わせて収納を造ることで、驚くほど使いやすい空間が生まれます。
■造作収納のメリット
1.サイズを“ぴったり”にできる
収納したい物に合わせて、奥行き・高さ・幅をミリ単位で調整できます。
そのため、
- 無駄な隙間ができない
- デッドスペースが生まれにくい
- 空間をスッキリ仕上げられる
というメリットがあります。
2.使う場所・動線にフィットする
造作収納は、生活動線に合わせて自由に配置できます。
例:
- キッチン後ろに家事動線に合わせた造作カップボード
- リビングの壁一面を使った“見せない”壁面収納
- 玄関にベビーカーや外用品を置ける造作土間収納
使う場所のすぐそばに“必要な形”で作れるのが強みです。
3.インテリアとしても美しくまとまる
既製家具を後から置くと、色・素材・高さが揃わず、雑然とした印象になりがちです。
造作収納なら、
- 壁や床材と統一感のある仕上げ
- 収納扉のデザインを家全体に合わせる
など、空間全体の美観が整います。
4.生活感を抑えやすい
造作収納は、“見せる収納”と“隠す収納”を調整できるため、生活感を出したくないリビングや玄関に最適。
扉付きの収納にすることで、散らかりやすい物もスッキリ収められます。
■注意点:つくり過ぎはNG
造作収納には多くのメリットがありますが、必要以上に作りすぎるとコストが上がり、使わない収納が増えることもあります。
造作収納を考える際は、
- 何を収納するか
- どれくらいの量か
- どこの動線で使うか
を明確にしたうえで計画するのがポイントです。
造作収納は、注文住宅の“あなたの暮らしに合わせた家づくり”を叶える最強の味方です。
生活動線・収納量・インテリア性を考慮しながら取り入れることで、長く快適に住める住まいになります。
外に置く物置を取り入れる
先にも書きましたが、屋外収納(物置)を上手に取り入れることで、家全体の収納計画がぐっとラクになる場合があります。
特に最近は住宅コストの高騰により、室内に大きな収納を作るとそのまま建築費に影響しがちです。
そこで注目したいのが、外に置く物置の活用です。
■家の中に置かなくていい物は“外に出す”という発想
屋外の物置が活躍するのは、以下のような物を収納したいときです。
- アウトドア用品
- 園芸道具
- キャンプ道具
- 季節用タイヤ
- 子どもの外遊び道具
- スキー・スノボ用品
- DIY工具
これらは家の中に置くと場所を取ったり汚れが気になったりしますが、
外の物置なら気兼ねなく収納できます。
■建築コストを抑えるという“現実的なメリット”
家の中に収納を増やす=床面積が増えるということ。
床面積が増えると、その分だけ建築費も上がります。
しかし、屋外物置は比較的低コストで後付けしやすく、室内の収納を削る代わりに全体の費用を抑えられるという大きな利点があります。
「収納は欲しいけど、コストはできるだけ抑えたい」という方には、
とても合理的な選択になります。
■最近の物置はデザイン性・耐久性も高い
昔ながらの“金属の箱”というイメージはもう過去のもの。
現在の物置はデザイン性が高く、住宅に馴染むカラーや形が豊富です。
- 木目調で外観に馴染むタイプ
- 錆びにくい高耐久仕様
- 扉の開閉が静かで軽い
- 見た目に圧迫感が少ないスリムタイプ
外観に合わせて選べば、景観を損なうことなく配置できます。
■外物置は「外部収納」として割り切るのが成功のコツ
外に収納を設けることで室内の収納量を抑えられ、
「必要なものを、必要な場所に」置けるメリットが生まれます。
ポイントは、
- 家の中に必要な物
- 外にあっても困らない物
を明確に区別することです。
これによって、
収納計画がシンプルになり、室内がスッキリ保てる家になります。
収納を考えた注文住宅は、ホームクリエたくみにおまかせを
収納は、ただ“広くつくる”だけでは本当に暮らしやすい家にはなりません。
家族構成、生活動線、持ち物の量、これからのライフステージの変化——
それらを丁寧に読み取りながら、「わが家だけの使いやすい収納」を計画することが大切です。
ホームクリエたくみでは、東広島の気候や地域性に合わせた住まいづくりはもちろん、お客様一組ひとりひとりの暮らし方をしっかりヒアリングし、
毎日の家事がラクになり、自然と片付く収納計画をご提案しています。
- 「どこにどれくらい収納をつくればいい?」
- 「動線に合わせた収納ってどう考えればいい?」
- 「造作収納と既製品、どっちがいい?」
- 「コストを抑えたいけど、収納はしっかり確保したい…」
こんなお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
収納が整った住まいは、暮らしを整える家。
毎日が快適に過ごせる注文住宅を、ホームクリエたくみが一緒につくります。
まとめ
注文住宅における収納づくりは、家の広さや収納量だけでなく、“どう使うか”“どこに置くか”“家族が将来どう変化するか”
を考えることが大切です。
収納の失敗は、
- 動線と合っていない
- 使いにくいサイズや形になっている
- 収納量が足りない、または使わない収納ができてしまう
- 電気配線を忘れて不便になる
- 将来の変化を想定していない
といった「事前のイメージ不足」から起こることがほとんどです。
逆にいえば、動線・収納効率・造作収納・外部収納・電気計画・収納ルール
これらをバランスよく計画すれば、収納は必ず“使いやすく進化する空間”になります。
そして何より、収納が整うことで——
家事がラクになり、暮らしにゆとりが生まれ、家が自然と片付くようになる。
これは、毎日の幸福度を大きく左右する重要なポイントです。
ホームクリエたくみでは、東広島の気候や地域性、そしてお客様の生活スタイルに寄り添いながら、
未来まで使いやすい収納計画をご提案しています。
「収納で失敗したくない」「暮らしやすい家づくりがしたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの暮らしにぴったり寄り添う“オンリーワンの収納計画”をご一緒につくります。
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