STORY住まいのコラム

2019年7月24日

建築基準法と耐震基準3

熊本地震ではどのくらい住宅が損壊したのか

熊本の大地震の際に、2000年以降に建てられた、新・新耐震基準であると考えられる建物が被害地域全体で約500棟あったそうです。

そのうち、「倒壊」が4~9棟「全壊」が6~8棟、合わせて最大17棟の被害が報告されています。
(日本建築学会 熊本地震被害調査速報会調べ)

このように、2000年以降に建てられた、新・新耐震基準の建物の被害の割合は3.4%になります。これは、1981年以前の旧耐震基準や1981年~2000年の新耐震基準で建てられた建物の被害と比べるとかなり低い数字になっています。

熊本の地震では、28時間の間に震度7の地震が2回、震度6の地震が1回起きるというとてもまれなケースでした。熊本県の災害対策本部会議の資料によりますと、熊本県上益城郡益城町における住宅の全壊棟数は、最初の震度7の地震直後では10棟と報告されていました。

これに対して、2回目の震度7の地震の後では、2309棟と報告されています。

このことから、多くの建物は、一度は大きな地震に耐えていた事がわかります。しかし、二度目の大きな揺れには、新・新耐震基準で建てられた建物でも耐えることができない建物も出てきました。
しかし、2000年以降に建てられた建物の中でも、耐震等級3の建物では倒壊した建物は「0」です。

リスクとコスト

この事実を知ると、誰しもが耐震等級3の建物を建てればよいことはわかります。しかし、それだけの強度を持つ建物です。それなりの費用が掛かってきます。
地震のリスクと建築時のコストともに、建築時の大きな課題です。

建築士などの専門知識を持った人間とじっくり話し合って納得のいく答えを出して、家づくりに臨みたいものですね。


森本一喜
森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。
大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所立ち上げる。
現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

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