STORY住まいのコラム

2019年11月1日

東広島で住み心地の良いマイホーム・新築を建てるために~日本の住宅の現状

最近、ようやく住宅の性能が意識されるようになり始めました。
そのため
・断熱材の選択肢が増加
・窓の性能の向上
・気密への注目
というように、高気密・高断熱への関心が高まってきているように思えます。

しかし、工業大国である日本の作る住宅は先進諸国の中で比べるととても性能がとても低いものになっています。

寒すぎる日本の冬場の室内

先にも触れましたが、他の先進諸国に比べると日本の住宅の室内環境は、まだまだ「快適」とは呼べそうにありません。
しかし、冬とても寒いイメージのあるヨーロッパ諸国と比べても意味はあるのか?と思うかもしれませんが、ここ、東広島の冬も十分に寒いのです。
例えば、東広島の冬(12月、1月、2月)の平均気温は約3.1度 これは、
フランスのパリやイギリスのロンドンよりも寒い平均気温です。
にもかかわらず、日本の室内環境はロンドンやパリに比べるとずいぶん寒いようです。
では、どれほど寒いのでしょうか?

これは、2018年にロシアの情報サイト「Arguments and Facts」が公開したデータで、世界各国の住宅における冬の平均室温をビジュアルデータ化したものです。
イギリスの平均室温が約15.2度に対して日本の平均室温は10度
ちなみに、各国の平均室温をランキング化するとワースト1位は日本となっていました。

進まない日本の住宅の断熱化

平均室温ワースト1位となってしまった日本の室内環境。なぜ、こんなに寒いのでしょうか?そこには、低すぎる暖房費も関係しているようです。
寒い冬の間、家中を温める欧米諸国と日本とでは暖房にかけるエネルギーの消費量が4~6倍も違います。つまり、暖房費も4~6倍かけているため、断熱工事にお金をかけても、暖房費を削減でるので十分に元が取れるのです。これは、既存の住宅でもいえることで、欧米諸国では、断熱改修にお金をかけても元が取れるため既存住宅でも断熱化が進みます。
しかし、日本では欧米諸国に比べると1/4~1/6しか暖房費をかけていないため、断熱工事にお金をかけても暖房費の削減では元が取れません。
「元が取れないものにお金をかけても・・・」という思いから日本の断熱化は進みません。これは、新築の住宅の場合でもこのような状況なので、既存住宅では、ますますもとは取れず、断熱化が進むはずがありません。
そのため、日本ではまだまだ「我慢」の冬が続きます。

日本は省エネ以前の問題

暖房費が極端に少ないうえ、断熱の性能は低い。さらに、冬の気候はイギリスのロンドンや、フランスのパリよりも寒い。日本の住宅の室内が寒いのも当然です。しかも、それが当然だと思い寒さは我慢するしかないと思っている人が多い。確かに、光熱費が上がれば、家計の負担になります。しかし、健康を損なえば家計の負担だけではすみません。実際に、ヒートショックなど室内の温度差が原因で起こる「ヒートショック」で室内で亡くなる方は、年間で19000人にも上り、この数字は交通事故で亡くなる方の4倍以上になります。
このように、低い室温のマイホームは安全な場所ではなくなってしまします。

環境のことを考えて、少ないエネルギーで生活することは大切なことです。しかし、健康を害してまでの我慢は必要ないと思います。
欧米諸国並みにエネルギーを使って、家中を暖房することだけが正解ではありませんが、断熱の性能を世界の基準にまで上げて、今使っているエネルギーを使いながら、室内の環境をよくすることは難しいことではないと思います。

 

 


森本一喜
森本 一喜

1974年10月13日生まれのO型。平和主義者のてんびん座。14歳を筆頭に、11歳、7歳の三姉妹を持つ絶賛子育て中の44歳。八本松小学校、八本松中学校、賀茂高校、福山大学卒という生粋の地元人。
大工として弟子入りし修行を積み、6年後に独立、その後二級建築士を取得して設計事務所立ち上げる。
現在はホームクリエたくみで設計・施工・管理を担い、お客様が心から喜びを感じる家づくりのお手伝いをしている。

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